海のある生活
先週、海に行った。
ここ1か月ほどの自粛生活にほとほと疲れ果て、
「非日常を味わいたい!!」
「でも旅行には行けない!!」
「どうすれば!!」
となった結果、家から車で10分ほどの海に行くことにしたのだ。
人間も30年ほど続けていると、
「自分はこれをすれば元気になれる」という方法くらいは
いくつか見つけられるものだ。
私にとっては、海に行くことはそのひとつ。
厳密にいえば海でなくても、大きな川や湖でもいいんだけど。
なぜか大きな水たまりを見ていると安心する。
夫は、たまに「そろそろ山に行きたい」と言い始める。
この気持ちは私にはわからない。
きっと私が海に行きたがるのも、夫にはピンとこないのだろう。
でも、先週の海へのお出かけは私をとても元気にした。
柄にもなく、夫とキャッチボールをしたり、
砂浜を全速力で走り回ったりして、筋肉痛になった。
4日後に。
(これ、マジですよ…)
まぁ、筋肉痛はともかく。
「行こう」と思ってすぐ行ける場所に、海があるのは私にとって素晴らしいことだ。
今住んでいる街には、1年ほど前に引っ越してきた。
これからもこの街に住み続けるかどうかはわからないけど、ここに住み始めたことで
これからも海のある生活を送りたいなと思うようになった。
海の近くはいろいろと不安なこともある。
代表的なものは津波や洪水などの水害だ。
でも極端な話、「海の近くに住むことで死ぬことになっても、まぁしょうがないかな」と思えるくらいには海が好きだ。
運動や筋トレは嫌いだけど、ずっとダイビングができるくらい元気でいたいから、少しは運動しなきゃなと思う。
暑いのも焼けるのも嫌だけど、海に行くのをやめようとは思わない。
これが好きっていうことなんだな、と思う。
私には「これが好き」と自信を持って言えることが少ない。
好きなものがあっても、いつも好きなわけではなかったり、
マイナスな面が目に付いて、「じゃあやめとこうかな」「やっぱりいいや」なんて思ったりしてしまうのだ。
でも、本当に好きなものの、マイナス面は気にならない。
どんなにデメリットがあっても、時代遅れでも、「自分はこれだな」と思えるもの。
それは、そんなにほいほい見つかるものではないのだろう。
だからこそ、数少ないそんなものを大切にしたいと思った。
海にいる間、娘はシャボン玉を飛ばしたり、自分の長靴に砂を入れたりして、
静かに、でも活発に何かを吸収していた。
こんな時がずっと続けばいいなと思うような、眩しい午後だった。